カノンも頑張れば、二段階目の【奉崇歌】までなら会得できそう――
 その事を美架は言いたかったようだ。
 カノンにとっては雑談のつもりで話した事だったのだが、歌い手である彼女に更なる目標が出来た事でもあったようだ。
 何気ない会話一つとってもここはクアンスティータの所有する宇宙世界だけあって、規格外な事柄がどんどん飛びだしてくるのを感じたカノンは度々驚いた。
 今までは惑星アクアでも凄い冒険だと思っていたが、惑星アクアでの冒険など、全く霞んでしまうような色んなものがこのトルムドア・ワールドという宇宙世界にはたくさんあった。
 歌い手であると同時にたくさんの特許を持つ、発明家でもあるカノンの好奇心はどんどん増していった。
 初めは、怖い宇宙世界に来たと思っていた。
 全く知らない宇宙世界にただ一人、連れて来られて不安だらけだった。
 だが、自分にとって雲の上の雲の上の雲の上の……そのまた雲の上……といつまでも続きそうなくらい上過ぎる存在であるクアンスティータも話せば、よい子――そんな感じがした。
 研究者でもあるカノンにとって、自分を高めてくれる存在というのは大変、興味を惹かれるものだ。
 彼女は今まで、何年かはクアンスティータ学という学問を学んできて、新たなる発見を繰り返してきた。