初めて聞く単語だったからだ。
 美架は、
「人間は声に出して歌わないとダメだと思っていたから、無理だと思っていたんだけど、無言歌――つまり、歌わなくても伝わったんでしょ?なら、次の段階としてあるのが奉崇歌だよ」
 と言った。
 その説明では解らないので、カノンは、
「あの……良かったら、その奉崇歌について説明してもらっても良いかな?」
 と再度聞き直した。
 カノンもこれまで冒険をしてきたが、まだまだ、満足行く成長をしたとは言えない。
 力不足により、涙した事も数多くあった。
 だからこそ、成長出来る機会があれば、どんどん成長していきたいと思っていた。
 自身の成長が仲間達を助ける事にも繋がるのだから。
 そのための情報なら得られるというのであればではあるが、知りたいと思うカノンだった。
 とは言っても、交渉術というのは対等の条件を提示して初めて成立する。
 なので、これは交渉というよりはお願いと言った感じだった。
 だが、美架は快く引き受けてくれた。
 トルムドアも楽しそうに見ている。
 トルムドアもオーケーという事のようだ。
 このトルムドア・ワールドではクアンスティータ・トルムドアが絶対の存在となる。
 つまり、トルムドアから許可を得たという事はトルムドア・ワールド全体での許可を得る事と同じ意味だった。
 美架は説明を始める。