第五の刺客の名前は、ウィスラーという男だ。
 ウィスラーの力は、盗賊の翼という能力だ。
 この力は、左右の小さな翼を1セットとする能力で、鷲のように獲物であるターゲットに襲いかかるというものだ。
 この1セットの盗賊の翼は1つ、テセウスの身体から何かを盗んでいく。
 それは、身体の一部分であったり、能力であったり様々あるが、無数の盗賊の翼により、少しずつ、自身の力を削り取って行くという能力だ。
 正に、獰猛な鳥に襲われるような印象を受ける能力でもある。
 盗賊の翼は一撃でトドメを刺すという力ではないが、大きさが鳩サイズであるため、小回りが利く。
 1セットであれば、かわすのはそれほど難しいことではないが、有に100セット以上はある。
 これだけ多くの盗賊の翼に襲いかかられてはたまらない。
 かわしてもかわしきれるものではない。
 モンスターハーレムから怪物を呼び出しても、敵の攻撃はテセウス自身に襲いかかってくる。
 このままではまずいと判断したテセウスは、新たな力、超越進化を使う事にした。
 超越進化は諸刃の剣とも言える力だ。
 使いどころを間違えば、テセウス自身を大きく、傷つける事にもなる。
「ふぅ……」
 と息を吐き、意識を集中させる。
 意識を右手に持っていく。
 右腕だけの限定進化だ。