本来、血の気が多い彼はこういうやりとりを好む。
 だが、カノンに嫌われたくない彼は普段、抑えていた。
 猫を被るではないが、本性を隠していた。
 今は、カノンを救うというお題目が加わったので、遠慮していても彼女は助ける事は出来ない。
 なので、思う存分、暴れようという気持ちになっていた。
 勝負はまたしても一瞬、タケルは、ウルダの首を鞭でもぎ取った。
 絶命するウルダ。
 敵として向かってくる以上、こういう最期が訪れる場合も覚悟して戦わねばならない。
 これはウルダに限ったことではない。
 タケルもまた、逆の立場になる可能性を秘めているのだから。
 覚悟の面で言えばそれはお互い様だった。
 4番目に彼に立ち塞がるのはギセラという女だった。
 女だからと言って、手加減する気持ちはタケルにはない。
 彼が一歩退いた気持ちで接するのはカノンや同じ七英雄のジャンヌ達仲間だけだ。
 敵として向かってきた以上、遠慮する気はない。
 男の敵と同様に戦って倒すだけだった。
 ギセラの力は、【ぶれ】だった。
 色んなものをぶれさせる力を持った相手だった。