キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン……
 何度も何度も剣を交える。
 見たところそこそこ腕はあるようだ。
 だが、プラスアルファが感じられない。
 凄腕の剣士――ただ、それだけの感じがした。
 ただの剣士であれば、今のタケルが負ける要素は無い。
 次第に腕の差がはっきりとし始める。
 タケルは今まで本気じゃなかったのだ。
 それでも、今なお、本気にはなっていない。
 ギアを入れ替えるようにちょっとずつ、実力を出してきているのだ。
「おいおい、そんなんじゃ、俺には勝てねぇぜ。それ以上、何もねぇってんなら、俺は無駄な殺生は好まねぇ。去る者は追わずだ。退くんなら今の内だぜ」
 と余裕ぶって見せる。
 無駄な殺生は好まないというのは今だから言える台詞だった。
 少し前までのタケルであれば、敵対する者は徹底的に完膚無きまでに追い詰める。
 それが、彼のスタイルだったからだ。
 実力を上げ、誰彼かまわず倒すという事が良いとは思わなくなったのだ。
 それだけ、精神的に彼が成長したという事でもある。
 だが、ヘムサスは、
「かまわないで貰おう。貴殿を倒さねば、我が命は無い。そういう契約だ」
 と言った。