パワー重視の男性体、スピード重視の4名の女性体に交互になることで、攻撃に変化をもたらせるというものだ。
 女性体4名で敵を攪乱し、男性体のパワーで一気にしとめるというスタイルを主軸とする戦い方にヘラクレスはシフトチェンジしていったのだ。
 男性体はパワーが優れている、女性体は複数になるという事とスピードが優れているという利点がある反面、男性体は小回りが利かず、女性体は、身体が複数になったため、コントロールが難しく、攻撃もその分、軽くなるという弱点を持つ。
 それぞれの長所と短所を上手くコントロールして、戦うという事なり、スイッチタイプのバトルスタイルをとるという事で、男性体、女性体に限らずどちらも、今までよりも遙かに集中力を必要とした。
 集中し続ける練習をしてきたからこそ、ヘラクレスは動きに繊細さが生まれていた。
 だから、男性体の時だけでも、パワーだけの相手であれば、体捌きで、上手くいなす事が出来た。
 がさつな戦い方をすると言う評をいつも受けていたヘラクレスにとってはもの凄い成長と言えた。
 シャロムはろくに良い所も見せずに撃破された。
 勝利したヘラクレスだが、今までだったらガッツポーズを取り、はしゃぎ回っていただろう。
 だが、今の彼は落ち着いていた。
 この程度の相手であれば勝って当たり前。
 手放しで喜ぶことでもないと言わんばかりの表情だった。
 続く第2の刺客の名前はガンゾという男だった。
 この男もまた、シャロムと似たり寄ったりの数遭わせ要員に過ぎなかった。
 力自慢が速度、スピード自慢に変わったくらいの違いだった。