フランツとの出逢い――
 これにも少なからず意味があるのでは?
 そんな思いもある。
 今は、それがどんな役に立つのかは解らない。
 それが解る程、カミーロは全能ではないのだから。
 だが、前に進もうとしている限り、少しでも好転してくれるはずだ。
 前に進む気持ちを持つ――
 それが、人間が持つ美徳であり、長所でもあるのだから。
 フランツとの会話で聞けるだけの情報を得たカミーロは再び、扉を開く。
 開いた先には今度こそ、現界へとつながる道が開いていた。
 残念ながら、都合良く、風の星ウェントス近くに座標は持っていけない。
 だが、現界に戻ったら、騒ぎの中心に戻れば良い。
 その中心にはクアンスティータが居て、それに対峙する形で吟侍やソナタ達も居る可能性が高いのだから。
 カミーロとクェスは覚悟を決めて、限界へと繋がった扉に飛び込んだ。
 前の宇宙世界の時の様に、扉をすぐ閉める事をしようとする者は居ない。
 フランツはそんな野暮な真似はしない人間だ。
 だから、今度は妨げは何一つなく、現界へと繋がる道が出来た。
 後は、ひたすら、進むだけ。
 たどり着いた先は、待望の現界だ。