カミーロに頑張れという応援の視線を送る者は少なくとも集まった中には一名もいないようだ。
 臆病者達が、保身のために、間合いを計っている――ただ、それだけの光景だ。
 素材としては、グラン・ベルトを凌駕する存在が多く居るこの宇宙世界だが、カミーロはこの世界の素材を持って帰る事をやめた。
 この宇宙世界には負け犬根性が染みついている。
 持って帰っても、足を引っ張ることはあっても、吟侍の助けになることはないだろうと思ったからだ。
 黙々と作業して、淡々と、進む。
 そして、扉を開き、カミーロはクェスと共に、現界に向けて飛び込んだ。
 そのすぐ後で、その宇宙世界の強者達は扉をふさぐ。
 強さという素材であれば、グラン・ベルト以上のポテンシャルを持つその宇宙世界だったが、得られるものは何もない――そこは、カミーロにとってとてもつまらない宇宙世界だった。
 ただ、逃げている事と、怯えている印象しか残らなかった。
 カミーロが去った後のその宇宙世界は再び動き出し、ロストネットワールドに向けて進んで行ったが、ロストネットワールドにひっついている他の宇宙世界から、拒絶され、消滅への道をたどっていた。
 同じ、クアンスティータを恐怖する宇宙世界でもレベルはピンからキリまであり、その宇宙世界は、ロストネットワールドの一部としても必要ないと判断されて、消えて行くことになったのだ。
 クアースリータ誕生とクアンスティータ誕生によって、そう言った、宇宙世界の淘汰があちこちで繰り広げられていた。
 カミーロは間接的にそれに関わったという事になる。
 前を向いて行こうという気持ちのない宇宙世界に関わっていても仕方がない。
 名前すら知らなかったのだ。
 カミーロは宇宙世界の狭間を進んでいった。