どのくらい時が経っただろうか?
 一週間?
 一ヶ月?
 それとも一年?
 ひょっとして十年?
 時の概念が解らなくなるくらいカミーロは作業に集中していた。
 だが、それも限界。
 もう、グラン・ベルトはもたない。
 早く脱出しないと、カミーロは宇宙の狭間に取り残されてしまう。
 カミーロは脱出の準備を始めた。
 そして、一分だけ、準備を止める。
 黙って世界を見渡す。
 このグラン・ベルトはコーサン・ウォテアゲとの別れの世界だからだ。
 目を一回閉じ、
「じゃあ、行ってくるよ、コーサン……」
 と言って、グラン・ベルトを飛びだした。
 それから、数十秒して、グラン・ベルトが完全崩壊していく姿が確認出来た。
 静かだった。
 静かに、まるで、コーヒーに入れた角砂糖が溶けて行くかのように、すうっとグラン・ベルトは終焉に向かっていった。
 振り返ってももう、グラン・ベルトは存在していない。
 後は、元の世界に戻るために、進むだけだ。
 カミーロは、前を向いた。