問題なのは、むしろ、グラン・ベルトの方がいつまでもつかという所だろう。
 グラン・ベルトが完全消滅する前に脱出しなくてはならないのだから。
 それを見誤るとカミーロは宇宙世界の狭間で、永遠とも言える時を彷徨うことになるかも知れない。
 それでは、コーサンに貰った命の意味が無くなる。
 それだけは、絶対に避けなければ、ならないとカミーロは思っていた。
 カミーロは作業を一時止め、小さな人形を作った。
 この人形には何の力もない。
 ただ、コーサンをイメージして作った人形に過ぎない。
 コーサンの魂が入っているという事もない。
 だが、せめて、これくらいは――
 コーサンが少しでも近くに居る気持ちになれたら――
 そう思って作ってみた。
 少し感傷に浸る。
「ふふっ……私らしくもないか。この人形にコーサンが宿っている訳でもないのに、何だか、少し温かい気持ちになれる――さて、作業を続けよう」
 カミーロは作業を再開した。
 何となく、作業ペースが少し上がったような気がする。
 誰も居ない、グラン・ベルトでの孤独な作業には、コーサンとの温かい思い出という毛布を被っていた方が、寂しさから逃げる事が出来た。
 カミーロは上を向く。
 涙が流れそうになったのを止めるためだ。