大虐殺という犯罪を犯してしまったが、それでも最期には人の心を取り戻し、愛する人に看取られて旅立った。
 カミーロは、コーサンを倒すつもりで、このグラン・ベルトにやってきた。
 だが、この結末は違う。
 元の心を取り戻す事はないと思っていたから、共に滅びる道を選んだのだ。
 元の心を取り戻したコーサンだけが居なくなる結末を望んだ訳ではない。
 もはや、生きていても仕方ない。
 だが、コーサンからもらった命だ。
 粗末には出来ない。
 自分で自分の人生を終わらせる事は出来ない。
 だって、これは、コーサンに貰った命なのだから。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぃ……」
 カミーロは慟哭する。
 このまま黙っていても、このグラン・ベルトは崩壊していく。
 だが、コーサンは生きて帰る事を望んでいる。
 コーサンへの思いがカミーロを苦しめる。
 愛する人が殺戮者になってしまった時も苦しかったが、愛する人が居なくなってもなお、生き残らねばならない事の方がなお、苦しかった。
 グラン・ベルトに残っているガラスの欠片にカミーロの顔が映る。
 どことなく、コーサンの面影も残っているような気がする。
 コーサンの核で生まれ変わった彼は言ってみればコーサンの子供の様なものでもある。
 コーサンの子供を見殺しには出来ない。
 コーサンが居なくては何も希望が持てなくても生きなくてはならない。