思いの強さで勝った、善の心は悪の心を制し、コーサンは元の清らかな心を取り戻した。
 それを感じ取ったカミーロは、
「コーサン、愛するコーサン。戻ったんだね、……よかった……なら、僕は君の罪を全て持って行こう――幸せになっておくれ……」
 と言った。
 彼は、自身の残った全ての浄化の力を使い、彼女を転生させようと決めたのだ。
 黙っていても、カミーロの身体は霧散する運命――ならば、元の心を取り戻した彼女のために、最高の人生をプレゼントしよう――そう決めた。
 だが、コーサンは、首を横に振り、
「違うわ。生きるのはあなた。私じゃない。あなたは、私のために全てをかけてくれた。それだけで十分過ぎるくらい――私は取り返しのつかない事をしてしまっている。それは取り消せない。だけど、あなたに人生を返す事は出来る。――今は、それが、私の最大の喜び」
 と言った。
 その次の瞬間、コーサンは自身の心臓部にある核を取り出し、それをカミーロの光の身体の中に入れる。
 カミーロは、
「なにを?そんな事をしたら……」
 と言った。
「そうね。私の人生はこれでおしまい……次の人生ではあなたの子供として、生まれて来たいかな。あなたはやさしいから――たっぷり甘えられそうだもんね――そんなの虫が良い話かもしれないけどね」
 にこって笑うコーサンの顔はどこか儚げだった。
 生きて、共に人生を歩めば、カミーロに迷惑がかかる。
 そう考えたコーサンは、自ら人生を終える事を選んだ。