だが、サドマゾは、
「いい男だな……顔がという意味ではない。その精力がだ。長い時を生きてきたその胆力は素晴らしい。我は抱いてみたい……」
 と言ってきた。
 俺は一瞬、ゾッとなった。
 俺は男だし、サドマゾは女だ。
 お互い認めればそういう関係になってもおかしくはない。
 だが、そういうのとは違う。
 得体の知れない存在に蹂躙される。
 そんな不気味な気配が俺を襲った。
 冗談じゃない。
 こんな得体の知れない女と関係を持てるか。
 俺は断固、拒否した。
 するとサドマゾは、
「そうか、それは残念だ。永遠の快楽を与えてやれたのだが……」
 と言ってきた。
 俺からしてみれば、そういう所が得たいが知れないから嫌なのだが、そういう気持ちはくんで貰えないようだ。
 俺は、自身の経験から出せる限りの奥義、術を組み合わせて、サドマゾに対抗した。
 だが、ハンテンの力で術が思うように作動しない。
 俺は、手を代え品を代え、術を試した。
 だが、その全てが通じない。
 どうやら、術の組み方が根本的にこの女のものと俺のものとは全く異なるようだ。
 逃げるか?
 俺の頭はそれがよぎった。