俺が、エヴェリーナ神話に目をつけたのも測定値が10.000を超えていたからだ。
 とは言え、12.893は低すぎる。
 クアンスティータの関わるファーブラ・フィクタ神話は別格としても、№2の神話がこの程度の数値とは考えにくい。
 ただ、余り、高すぎると俺の技量がついていけないから、この丁度良い数値のこの神話を俺は選んだだけだった。
 だが、今、計ったら、数値が12.926に上がっている。
 数値全体からすれば僅かな違いだが、それでも規模としては、神々が数柱は増えたような数値を示している。
 この神話は成長しているんだ。
 いや、膨張しているのかもしれない。
 人間に例えれば、スマートだったボディーに筋肉や脂肪を次々と増やしている感じだ。
 すでに、この神話には長い時をかけて、把握しきれない程の神話が塗り重ねられている。
 手がつけられなくなる程の巨大な勢力になる前に何とかした方が良いだろう。
 俺は、ウィルヘルムの惑星の辺境に降り立った。
 そこから、奴の住む場所までの距離は、およそ、数千キロは離れている。
 少々離れすぎだ。
 だが、それには狙いがある。
 この星は神話の加工場でもある。
 つまり、星の至る所に、その爪痕が残っているはずだ。