その上で、別の場所で、更に彼女の気配を変えて、また、別の場所に移動し、更に別の場所でまた気配を変えるという行為を何度か繰り返した。
 これで、よっぽど探知能力に優れている存在でもない限り、追ってはこれないはず。
 その場にエヴェリーナを残し、俺はその場を離れた。
 逃げてばかりでは何にもならないからだ。
 エヴェリーナから聞いたウィルヘルムの情報を元に、こちらから探索する。
 とは言っても、この場から直接追ったのであれば、逆探知により、エヴェリーナの所在が解ってしまう。
 俺は更に何カ所もまわり、エヴェリーナの所在地をぼかしてから、改めて、ウィルヘルムを追い出した。
 エヴェリーナの情報によれば、ウィルヘルムという男は、蘇生や復活術に関する能力が飛び抜けて高いという事が解っている。
 その力を駆使して、終わってしまっていた伝説や神話を呼び起こしてきたのだ。
 ならば、その力に対しては特に注意をはらわねばならないだろう。
 どんな厄介な神話を呼び起こされるか解らないのだから。
 だが、俺に言わせれば、どんな神話だろうと、一度は終焉を迎えた神話だ。
 それが終わる切っ掛けというものが必ずあるはず。
 それを掴めば、神話に対する対抗策というのも見えてくる。
 俺は、ウィルヘルムの住む星を目指した。
 奴は、エヴェリーナの住んでいる星の隣の惑星に住んでいた。
 ここを拠点として、様々な星を渡り、眠っていた神話を呼び覚まして、自身の神話として取り込む事を行ってきていた。