改めて、
「邪魔するぜ」
 と言って、屋敷に足を踏み入れたは良いが、この後はどうしたら良いのか、正直、解らなかった。
 エヴェリーナに会う?
 だが、俺は、肖像画はいくつも見たが、本人に会っても、それが本物だという確証を持つことが出来ない。
 理由は、肖像画がどれも別々の顔をしていたからだ。
 このままでは、白人なのか、黒人なのかすら解らない。
 人ではないのかも知れない。
 見たこともない肌の色をしているかも知れない。
 だから、何人か女が現れたとしたら、その中のどいつがエヴェリーナかという確証が持てなかった。
 だが、この屋敷には何かある。
 何かあると言うことは俺に何らかの不幸が舞い落ちる可能性もあるという事だ。
 身の安全を確保したくとも、このよく解らない屋敷の中では、何処が安全で、何処が危険だかは全くわからない。
 調べようにも捜査キットが足りない。
 さて、どうするか……
 俺は思案する。
 しばし、考えて、決断する。
 この屋敷を一つ一つ、手作業で調べ上げようと。