そう、技陣はこの現界(げんかい)に別れを告げ、虚無六界へと向かう。
 現界には二度と戻らないかも知れない。
 だから、見ず知らずのノーマに思いを残すために、つい話す気になったのだ。
 一昼夜話した後、気が済んだのか、技陣は、
「……礼を言う……」
 とだけ、言って、姿を消した。
 後に残されたノーマは、
「……御武運を……」
 とつぶやいた。
 ノーマはその後、彼女なりの幸せをつかみ日々の幸せに感謝する毎日を送っていた。
 技陣はその後、二年に渡り、虚無六界での戦いにくれる事になる。
 悲しき男、技陣は戦うことでしかその苦しみを晴らせない。