この先は別々の人生を歩んでいく事になるだろう。
 ノーマにはノーマの人生がある。
 二人は、たまたま、すれ違っただけだ。
 二度と会う事はない。
 二度と会わないのであれば――なかなか言えない事も話せるのでは無いか……技陣はそう思った。
 レディ・ファーストではないが、自分の事だけを話すのは面白くないので、まずは、ノーマの話をさせる事にした。
 彼女の話は確かに不幸だったが、もののとらえ方は人それぞれで、不幸の中からも取り出せる幸せはあるという事を説く様な話となった。
 彼女の話は立派だったので、逆にばつが悪くなり、話にくくなったが、彼女に話をさせて、自分は話さないのは技陣の中の筋が通らないので、彼もまた、恥を忍んで話をした。