ただ、涙だけが止めどなく流れていった。
 その男を殺しても彼女は戻って来ない。
 それは解っているけど、その男を生かしてはおけなかった。
 罪を憎んで人を憎まずという言葉を聞いた事がある。
 だけど、聖人君子でもないクォンデルにとってはそんな言葉はクソ喰らえという感じで受け取った。
 その男はクォンデルの全てを壊した。
 だから、復讐した。
 そう思った。
 彼女であれば、そんなことは間違っていると言うかも知れない。
 だけど、正気を保つには、こうするしかなかった。
「……うっ……うっ……うぉ……おぉぉ……」
 突然悲しくなる。
 また、間違えた。
 何度間違えるのだろう、自分は――
 間違えて間違えて間違え倒す――
 彼の人生はその繰り返しだ。
 レェバを殺した男が見つからなかったら、クォンデルは復讐鬼と化して、九眼(くまなこ)になって探すだろう。
 だが、仇はあっさり見つかってしまった。
 それも、ゴブリックのお陰で、あっさりと決着がついてしまった。
 生きる糧を無くしたクォンデルには虚しさが残った。