彼女は巨獣徒を操獣出来るわけではない。
 戦闘力もない。
 だけど、隣にいて安心する。
 クォンデルが一度死ぬまでの、レリラル曰く、つまらない人生では一度も隣に居る人間は居なかった。
 常に、もめ事を起こし、はじき出される人生だった。
 だけど、彼女は違う。
 レェバは、嫌がらせはしてこないし、彼を追い出そうとはしない。
 自分を信頼してくれている――
 それだけで、安心だった。
 最初は顔が好みというだけの興味だけだったが、今は違う。
 一緒に困難をくぐり抜けたという事で、吊り橋効果なのか、はっきり好きだと言える。
 愛している……という言葉が合っているのかは解らないが、今は、ずっと彼女と一緒に居たいと思う。
 一緒に安心出来る場所を探して、二人で静かに暮らしたいと思える自分が居る。
 周りの人間全てが敵だった彼にとってはもの凄い変化である。
 彼女にはストマとツクという大切な家族が居て、自分はその次かも知れない。
 だけど、彼にとっては、まるで初恋の様に、彼女の事しか考えられなくなっている。
 34歳のオッサンが何を言っているんだと思われるかも知れない。
 だが、今は17歳の思春期の身体なのだ。
 それで、何の不都合がある。
 クォンデルはそう思った。
 レェバのためならば、頑張れる――
 彼はそう思える様になって来た。