つまり、この地に居座る理由は一切無かった。
 ダダダダダダダダダ……
 と、もの凄い轟音を立てて、赤ゴブリックは走り出す。
 その姿はとても勝者とは思えなかった。
 惨めな敗走者という方がしっくり来る。
 だけど、レェバにとってはクォンデルはヒーローだった。
 救い方は違ったが、彼は確かに、ストマとツクの命を助けてくれた。
 彼女をひとりぼっちにしなかった。
 彼女にとって、クォンデルは神様であり、ヒーローであり、勇者であり、信仰の対象となった。
 彼女はクォンデルについていくと心に決めた。
 人里離れた場所で一夜を過ごす、クォンデルとレェバ。
 彼は彼女を求めた。
 彼女は拒まなかった。
 二人は寂しかった。
 とにかく、お互いの繋がりが欲しかった。
 それを確かめ合って二人は赤ゴブリックのPRCの中で眠りについた。
 芦柄 吟侍であったならば、この程度の事は何という事でもなかっただろう。
 だが、クォンデル・ラッシュアワーダという小さい人間にとっては、十大な事だったのだ。