そのため、見た目は地味だが、神官が乗っている着飾って派手な出で立ちになっているゴブリックよりも汚らしい印象のあるゴブリックの方が難敵だった。
 ご神体ゴブリックは無様な立ち回りだったが、地味ゴブリックの動きは熟練者のものとなっている。
 それは、戦いの素人であるクォンデルでもはっきり解るくらいの差だった。
 ご神体ゴブリックは出鱈目な動きで、クォンデルのゴブリックに突っ込んで行ったり、よろけたりしているが、地味ゴブリックはクォンデルの動きをじっと窺っていた。
 恐らく、こちらの隙を窺っているのだろう。
 逆に、ご神体ゴブリックの無駄に派手な動きが地味ゴブリックの動きを邪魔していると言ってよかった。
 クォンデルは考える――
 ご神体ゴブリックを倒すのは簡単だ。
 隙だらけの動きだから、クォンデルが神官のPRCに一撃を入れればそれで動きは止まる。
 だが、問題はその後だ。
 その時、地味ゴブリックの本格的な攻撃が始まる。
 実力の差は歴然。
 クォンデルの腕では、この地味ゴブリックの精密な動きについて行けない。
 やられるのは時間の問題だろう。
 奇抜さだ……
 奇抜な動きで暗殺者の思考にない行動を取るんだ。
 それしかない――と判断した。
 クォンデルの赤ゴブリックはご神体ゴブリックを捕まえる。
 倒すのではなく、捕まえた。