だとしたら、犯罪を犯したとたんに不穏分子として、即座に射殺という事も考えられる。
 何かしてやりたいという気持ちと何もできないという気持ちがせめぎあう。
 まただ。
 また、クォンデルと吟侍の意識の食い違いが反発しあう。
 吟侍の行動力をクォンデルの臆病な心がブレーキをかけている。
 また、空回りしてしまうのか──
 だが、時は待ってくれない。
 ストマとツクがレストランを出て行った。
 慌ててレェバが追うが、二人は振り切り、去っていった。
 崩れ落ちるレェバ。
 そんな彼女に、クォンデルは
「どうかした?」
 と声をかけた。
 どうかした?と聞いてみたのは事情を知っていたら政府側のスパイだと勘違いされるかも知れないと判断して、とぼけたのだ。
 そのとぼけた反応もそうだが、声をかけたという自分の行動にクォンデルは驚いた。
 今までの自分であれば、まず動かなかっただろう。
 動かず何もできず、ただ静観していただけだろう。
 だが、動いた。
 これこそが吟侍の行動力なのだ。