第一章 惑星ボイルへ


 クォンデル・ラッシュアワーダは宇宙空間で眠り続ける。
 乗って来た火の属性を持つ、ゴブリックの中でだ。
 ZAC-O-Goblick(ゴブリック)──最下級の巨獣徒(きょじゅうと)だ。
 巨獣徒とは4番の化物(ばけもの)クルムレピタークが所有している勢力の一部となっている生物兵器の名称だ。
 その巨体から最もインパクトのある勢力とされている。
 ゴブリックはGランクではあるが、山脈くらいならば、簡単に吹き飛ばせるほどの戦闘能力を有している。
 三百四十五垓(さんびゃくよんじゅうごがい)体も個体がある事から雑魚キャラかと思われがちだが、ゴブリック一体がいれば、その辺の惑星くらいならば、簡単に支配できる。
 所有者であるクルムレピタークの封印により、巨獣徒は、その戦闘力を買われ、様々な野望を持つ者達に利用されてきた。
 そのため、数々の伝説を残している。
 ゴブリックは使い勝手も良く、巨獣徒の中では、最も利用者が多く、その分だけ伝説も多く残してきている。
 ゴブリックを笑う者はゴブリックに泣くと言われる事もあり、最下級だと馬鹿にしている上級の巨獣徒のブレインパイロット(BP)達は、ゴブリックの乗り手達にしてやられる事も珍しくなかった。
 大事にのりこなせば、巨獣徒最強の戦力となることも不可能な話ではない。
 クォンデルが目指すのは、ゴブリックではなく、魔女と呼ばれた三姉妹(四姉妹)レリラル達が求めていた、謎の巨獣徒エルフェリアだ。
 だが、それまでは、このゴブリックを使いこなせるようになる事が第一の目標となる。
 ゴブリックを強奪して、宇宙空間に逃げたは良いが、目的地が見つからない。
 このまま、元々住んでいた星に戻れば、レリラル達に殺される可能性が高い。
 せっかく、ナシェルにより、一度失った命を取り戻し、トリプルやクアドラプル達にレリラルの呪縛を断ち切ってもらえたのに、戻って殺されるのでは意味がない。
 故郷に戻っても良い思い出は少ないが、それでも、生まれ育った星に戻りたいという気持ちはいくらかある。