だけど、他の女性を気遣ってか、なかなか、自分がとは言い出せない。
 そんな時、
「やっぱ、お花ちゃんにお願いするのが……」
 と吟侍は言った。
 【お花ちゃん】とは吟侍の恋人カノンの愛称だ。
 その瞬間、
「私が……」、「私が……」と女性陣が手を挙げだした。
 この場に居ないカノンに対するライバル心からだろう。
 吟侍にはカノンという恋人が居るというのが解っていても、やはり、彼の隣には自分が居たいという気持ちの方が打ち勝った。
「あ、あんまり大勢で行っても……」
 と吟侍は思わず、気圧された感じで言ったが、女性陣達は自分が行くと言って聞かなかった。
 放心状態の海空をひとまず、安全な所に保護した後、吟侍と女性陣達による、セレークトゥース・ワールドでの冒険をするという事で意見はまとまった。
 吟侍の持っているクアンスティータ・パスポートがあれば、吟侍と行動を共にしている限り、女性陣達もセレークトゥース・ワールドに行くことが可能だが、下心のある女性陣達では不安が残る。
 恋愛感情に鈍い吟侍はその事に気づかなかった。


続く。