03 神や悪魔の動揺


「オッス、今、戻った」
 吟侍はあっけらかんとして戻ってきた。
「ぎ、吟侍さぁん、どこに、いらしてたんですか?」
 フェンディナが泣きついてきた。
 クアンスティータの前にほっとかれて不安だったのだ。
 口には出さないが、エカテリーナやステラも同じ気持ちだった。
 吟侍が帰ってくるまで、オルオティーナに「しばし、待て」と言われて全く逆らう事が出来なかった。
 それこそ、蛇に睨まれた蛙のように。
 クアンスティータがクアースリータとじゃれあって遊んでいる所を黙って見ているしかなかった。
 これからどうなるんだと不安でしかたがなかったのだ。
「ちょっと野暮用でな、セレークトゥース・ワールドで軽く商売してきた、これ、土産な。
おめぇらのもあるぞ」
 と言って、セレークトゥース・ワールドから貰ってきたお菓子を配った。
 放心状態の海空や、クアンスティータ・セレークトゥース、クアースリータ、オルオティーナにもだ。
「芦柄 吟侍、貴様、こんな時に何をやって来ているんだ?」
「こんな時だからだよ。おいら、思ったんだ。誰かを倒す事に意味があるのか、どうか?それって割とどうでもいいことじゃねぇかってな。みんなでワイワイ楽しむのもありかなって思ってさ」
「何を言っておる?」
 吟侍の言葉にエカテリーナは動揺する。
 戦う事が全てであった彼女には理解しがたい感情だからだ。