自分の生体データを元手に、クアンスティータの宇宙世界で店を出そうと結論づけた。
 吟侍は辺りを見回す。
 まだ、カオスの様な状況で、店らしいものも不確定、不完全な状態になっている。
 が、不完全ながらも店を出している一店舗に目をつけ、そこに向かった。
「いらっちゃいまちぇ……」
 たどたどしい言葉で店員らしい存在が出迎える。
「えーっと、この場合、質屋かな?――質屋を探してるんだけど、どこか知らないかな?」
「しちやってなんでちゅか?」
「えーっと、おいら自身のデータを売りたいんだけど、買ってくれるところとか知らないかなって事なんだけど?」
「かう?」
「そう、買う。あ、おいら、芦柄 吟侍ってんだ、よろしく」
「あたちは―――でちゅ」
 と店員は答えた。
 どうやら、まだ、名前は無いようだ。
 それだと、不便なので、吟侍はその子に仮の名前をつける事にした。
「そうだな、名前がないと不便だな、おいらがつけて良いか?うーん、【ぴょこたん】なんてのはどうだ?なんとなく、そんなイメージだ」
 普通の人間がそんな名前をつけられたら怒りそうなものだが、店員は気に入ったのか、喜んだ。
 どうやら、【ぴょこたん】で良いらしい。
「わたちがかってもいいでちゅよ」
「そうか、じゃあ、ぴょこたん、おいらの生体データを受け取ってくれ。んでもって、【真似っこ吟ちゃん】という商品を作って欲しい、パートナー――えーっと、共同経営者にならないか?」
「よくわからないでちゅがいいでちゅよ」
「決まりだな、よろしく。一緒に店を大きくしていこう」
 と言い、吟侍はぴょこたんと握手をした。