トルムドアは、どうやら、カノンに何かをやらせたいらしいという事は解っている。
 解っている事はそれくらいだ。
 解らない事は山ほどあるトルムドア・ワールド――
 千里の道もまず、一歩から。
 前に進み出ないと何も変わらない。
 カノンは最初の第一歩を踏み出すのだった。
 カノンそっくりな容姿を持ち、まるで、カノンの無邪気な部分を強調したかのような性格を持っているクアンスティータ・トルムドア。
 今まで、彼女のサポートをしてきてくれたユリシーズ達は今は居ない。
 別の宇宙世界で、カノンとは別の時空で何かをしている。
 ユリシーズ達は自分が居なくてもちゃんと人命救助をやってくれるだろうか?
 シアンやパストと喧嘩しないだろうか?
 絶対者アブソルーター達はどうなっているのだろうか?
 クアースリータ誕生時に一応和解した形にはなったが、彼ら彼女らが、ユリシーズ達とまた、もめないとも限らない。
 そういう面で心配していたが、今は何をやってもそれは届きそうもない。
 絶対的な力を持つ、クアンスティータの宇宙世界に囲われてしまったのだから。
 今は生き残る事。
 それが、明日の希望に繋がる。
 カノンは恋人、吟侍からそれを教わっている。
 生きている限り、希望はある。
 何も見えなくてもいつかは見えるようになる。
 その事を最愛の恋人の背中を通して、ずっと見てきたのだ。
 カノンは吟侍を信じ、トルムドア・ワールドを生き抜く事を誓うのだった。

 続く。