全ての神や悪魔、人間達に怨みを持つこの男はクアンスティータによる全ての壊滅を望んでいるが、その怪物ファーブラ・フィクタをもってしても第七本体を出すのはやり過ぎだと感じている。
 だが、今のカノンはそんな事は知るよしもなかった。
 続けて言ったトルムドアの台詞で更に混乱する。
「吟侍パパが余計な事をする前にとも言っていたよ」
 【吟侍パパ】と【パパ】が別人を指すという事は解るが、【パパ】とは誰なのか?
 【吟侍パパ】とはカノンの恋人、芦柄 吟侍の事を指すのだろうか?
 吟侍はこのクアンスティータ・トルムドアと会っているのか?
 会っているとしたら、自分にそっくりな容姿を持つこの子を見て彼はどう思ったのだろうか?
 何となく、吟侍がクアンスティータと関わる運命だという事はずっと感じていた。
 そのクアンスティータの一核がカノンそっくりな容姿をしている。
 その事だけでも不安を覚えた。
 吟侍がもっと遠い所に行ってしまう。
 そう感じると切なくなってくる。
 本物のクアンスティータはどのクアンスティータも宇宙世界を持っている。
 吟侍がその宇宙世界のどこかへ行ってしまったら二度と会えなくなるのでは?
 タダでさえ、吟侍と共に冒険出来ないのに、違う宇宙世界へと離れてしまう。
 そう考えると不安で不安で仕方なかった。
 だけど、クアンスティータにも不思議な愛情を覚えてしまう。
 クアンスティータとはどのような存在なのか?
 どこから来てどこへ行くのか?
 膨大過ぎて解らないことだらけだ。
 こうしていると、どんどん考える事が増えてしまう。