最後の8つ目に待っていたのは幻妖斉(げんようさい)と呼ばれる老人だった。
 両手には石を持っている。
「ひょっほっ……綺麗なねーちゃんじゃのう。じゃが、わしも最後の関所を守る者として負けられんでの。まずは、儂の武器を使うに足る者かどうか計らせてもらうで、ええの?」
 と言った。
 石は本来の武器ではなく、あくまでもジャンヌの実力を試すためのものであるらしい。
 目の前の敵は年寄り、しかも手に持っているのはただの石――大した相手ではないとふんで向かっていったジャンヌだが、幻妖斉は巧みな技を繰り出し、石でもジャンヌに大ダメージを与えた。
「じ、じじぃ……」
「口の悪いねーちゃんじゃのう。もう少し愛想を振りまいた方が男も喜ぶと思うで。ほれっいうてみぃ」
「バカにしやがって……」
「すぐ、そうやって頭に血が上る。お前さんじゃ儂には勝てん」
「だまれ、片足だけじゃなく、両足棺桶に突っ込んでやる」
「無理無理……儂はお前さんの動きが丸見えじゃからのぅ。ほーれ、スぅリスリ……」
 攻撃を交わしながら、ジャンヌにすり寄る幻妖斉。
 ジャンヌは思わずゾワッとなる。