だけど、オリウァンコはカノンを悲しませたというのは事実。
 そんな相手を野放しにしてはおけない。
 それがユリシーズ達の行動理由だった。
 迷いを吹っ切り、ユリシーズ達はそれぞれ割り当てられた戦場へと赴くのだった。
「よく来たな人間共……」
 その場にはオリウァンコが待ち構えていた。
 オリウァンコの背後には七つの扉がある。
 それぞれの入り口から入り、待ち構えている刺客を倒して、カノン(ダミーカノン)達が招待されていて、オリウァンコとオリウァンコの最強の刺客達が守る城にやって来いという事を説明した。
 まずは、招待という形で、カノン(ダミーカノン)、シアン、パストの三名を迎えに来たのだ。
「みんなの事、信じているから……」
 とダミーカノンは本物のカノンだったら言うだろうと思われる台詞を言った。
 誰も、ダミーカノンのセリフだとは思っていない。
 カノン本人の言葉として受け取っている。
 仲間達がカノン本人と信じて疑っていないダミーカノンとは何なのだろうか?
 その正体は【ファーミリアリス】と呼ばれる存在だという事はこの場に居る誰も気づいていない。
 【ファーミリアリス】とはクアンスティータが生まれる時に出てくるクアンスティータ以外の部分の事を言う。
 人間に例えれば、赤ん坊が生まれる時に母親の胎内から出てくるのは赤ん坊だけではない。
 それ以外の部分も存在する。
 羊水や血液なども出てくる。
 クアンスティータの場合、それが、そのまま寄り集まって、意思を持って動くという事になる。