実際には目的となっている本物のカノンはそこには居ない。
 彼女はトルムドア・ワールドへ連れ去られたのだから。
 その事には気づかない双方は本命の居ない虚しい戦いに全力を注ぐのだった。
 オリウァンコは自身の持つ最強戦力8つを緊急招集した。
 8番の化獣であるオリウァンコにとって8という数字は特別な意味を持つ。
 この8つの勢力に自身の持てる全てを注入しようとしていた。
 オリウァンコの強力な加護を得て、力を増す8つの勢力。
 8つの勢力の内、№1の勢力はオリウァンコの警護に回し、残り7つは、その周りの各地に配置した。
 七英雄はその文字の通り7名なので、七英雄達は各最強戦力1つずつとぶつかる事になる。
 絶対者アブソルーター達はカノン救出に名乗りを挙げたが、今回は七英雄対オリウァンコの勝負だという事で参加は認められなかった。
 ゼルトザームに本気で反対されれば、刃向かう術はない。
 が、それでも、惑星アクアの代表者達である絶対者アブソルーター達を通して、住民達に情報が渡った。
 住民達はみんな、カノンの無事を祈った。
 惑星アクアを救ったカノンはもはや、英雄として、聖女として奉り上げられていた。
 なぜなら、クアンスティータの双子、クアースリータ誕生による被害を最小限に抑えたのはカノンの力が大きいのだから。
 七英雄達がカノンを救うと聞いて、激励の言葉をかけに各地からやってきた。
 ユリシーズ達は胸がチクリと痛くなった。
 表向きはカノンを救うために、ユリシーズ達が戦いに行くという事になったが、カノン自身はこの戦いは望んでいない。
 むしろ、これは、ユリシーズ達がカノンの了承も得ずに戦いを勝手に始めたことなのだから。
 そういう後ろめたさはあった。