やがて、その赤ん坊は建物の影に隠れた。
 物陰から顔を出しては、引っ込める。
 また、顔を出しては、引っ込めるというのを繰り返す。
 どうやらかくれんぼをして遊んでいるようだ。
 無邪気に遊ぶその赤ん坊をゼルトザームと眠っているカノン以外は恐れていて動けない。
 無限とも思える時だったが、実際には数分後、カノンは目を醒ます。
「みんな、どうしたの?」
 カノンは辺りをキョロキョロと見回す。
 そして、物陰に隠れてかくれんぼをしている赤ん坊を見つけてほほえみかける。
「あら、可愛い。――おいで」
 と赤ん坊に声をかける。
 その声を聞いた赤ん坊は、
「まんまっ……」
 と言ってカノンの元にフワッと浮いたまま近づいてきた。
 その赤ん坊の名前は第一本体、クアンスティータ・セレークトゥース――本物のクアンスティータだった。