とにかく使って見ないとどの様な力を発揮するのかがわからない。
 だから、彼女は先頭に立つ。
 【ルツ】の子供たちが琴太達の元にやって来た。
 どれも一癖も二癖もありそうな面構えだ。
 ウェンディは意識を集中する。
 すると彼女の肩甲骨の辺りに穴があいた。
 シュボッ…シュボッ…シュボッ…シュボッ…シュボッ…シュボッ…
 六回の音が鳴り、ウェンディの肩甲骨に空いた穴から、六つの何かが飛び出した。
 パッと見はこけしの様にも見える。
 頭の部分と身体の部分があるからだ。
 ウォンウォン音を立てるそれが【HF】なのだろうというのは解るがどんなものなのかがよくわからない。
 よく見るとものすごいスピードで回転している。
 【ルツ】の子供たちはそれを見て一瞬、ひるんだがすぐに一斉にとびかかる。
 その数、50名。
 とてもウェンディ一人では無理だと思ったが、【HF】はその飛びぬけた運動性を示す。
 【HF】は【ルツ】の子供たちに突っ込んだと思うと、その子供達を吸収し、力を変換、こけし状の形態だった【HF】は形を変え、それぞれが別の腕の様な形となって【ルツ】の他の子共達に襲い掛かる。
 獰猛──その表現がぴったりなように、【HF】は姿形を変えて、【ルツ】の子供達に次々と襲い掛かり、50名いた相手はあっという間に全滅した。
「どうやったんだ?」
 琴太が思わず、ウェンディに尋ねた。
「何も……、今までやってた事をちょっとやろうと思っただけだ」
 との答えが返ってきた。