気が動転しているティアグラが出来ることと言えば、外に出していた自分の全戦力を自身の所有する宇宙世界ティアグラ・ワールドに引っ込め、自分もまた、ティアグラ・ワールドに退避する事くらいだった。
 クアンスティータの怒りを買ったら、消される。
 そう思ったティアグラはティアグラ・ワールドへ帰り支度を早急にはじめていた。
 ティアグラは様々な存在にもティアグラ・ワールドに来るように声をかけたが、多くの存在はすでに退避行動を取っていた。
 例えば、ティアグラの恋人と言われている【死の回収者ファイシャ】などは、【抜界(ばつかい)】と呼ばれる存在しない宇宙世界へと逃げ去り、すでに存在しない事になっている。
 今まで大物とされてきた存在が次々と小物へと変わっていく。
 それはクアンスティータの誕生と共に変わって行った。
 クアンスティータ誕生と共にそれまであった勢力図は簡単に何度も塗り変わる。
 こんな宇宙世界では覇権は望めない。
 そう思った存在は次々とその場の宇宙空間ごと、クアースリータの所有する宇宙世界と融合し、ロストネットワールドという巨大な宇宙世界となっていった。
 小さな石を池に落とすよりも大きな岩を落とした方が波紋が広がるし水しぶきも飛ぶ。
 クアンスティータという大きすぎる岩が誕生した事によって、かつて無い超巨大な波紋が広まったのだ。
 ティアグラはクアンスティータを利用しようと思って大失敗した。
 だが、彼の失敗はそれだけではなかった。
 いつか自分の寝首がかかれる事につながるかも知れない琴太を自身の所有する宇宙世界へと取り込んでしまったことも、それに当たるのだ。