主であるティアグラに罰を与えられるという事よりもクアンスティータという存在に手を出してしまった事への恐怖心が先に立っていた。
 統率された集団に教育していたつもりが、今では烏合の衆、いや、泣き叫ぶ子供の集まりの様にも見えるような状況となっていた。
「どこを間違えた……?」
 ティアグラは苦悩する。
 だが、答えは返って来ない。
 ティアグラの最大の失敗はクアンスティータを自分と同じ化獣としてとらえていたという所だった。
 両親である怪物ファーブラ・フィクタと魔女ニナが特別扱いをしている末っ子――ただ、それだけだと思っていた。
 だが、実際は違っていた。
 双子であるクアースリータとすら全く違う別次元の存在、それがクアンスティータだった。
 ティアグラレベルではせいぜい、クアースリータならば何とか関われる程度に過ぎなかった。
 クアンスティータには全く届かない。
 存在自体がとても重く、どんな効果もクアンスティータには通じない。
 何をしても徒労に終わる。
 下手に手を出せば、破滅する。
 それがクアンスティータだった。
 ティアグラは、7番の化獣ルフォスは勇気という気持ちを芦柄 吟侍を通して手に入れクアンスティータに挑戦しようと思っていると知り、彼らを小バカにしていた。
 だが、自分もバカだった。
 クアンスティータはどうこう出来るような存在ではなかった。
 利用さえ出来るような存在ではない。
 今更ながら、神や悪魔がこの存在の誕生を極端に恐れていたという事が身にしみてわかった。