慌てているのは琴太達だけではなかった。
 様々な存在がこの異常状態にパニックしていた。
 それは暗躍していた1番の化獣、ティアグラも例外ではなかった。
 ティアグラは今まで、13番の化獣、クアンスティータを利用しようとして、幾重もの画策をしていた。
 それが、全て、水の泡、吹っ飛んだのだ。
 悪意を持ってクアンスティータに近づくものはクアンスティータの自動防御によって、全て排除される。
 今まではその悪意に対しては偽クアンスティータ達が対応していた。
 が、本物が生まれてからは本物のクアンスティータの自動防御が作動する事になる。
 その威力は偽クアンスティータの比ではない。
 偽クアンスティータの時代にはあった隙のようなものが全く無い。
 ティアグラが用意していた何億もの手段が一瞬にして、全て消し去られたのだ。
 どれが失敗しても良いように用意していた無数の手段が例外なく全て吹っ飛んだのだ。
 これを実際に体感したティアグラはたまらなかった。
 クアンスティータとはティアグラが思い描いていたようなレベルですらなかったのだ。
 もっと途方もなくとんでもない存在だった。
「何があった?状況を報告しろ」
「わ、わかりません。何故か、全て無くなりました。……一つもありません」
「バカな事を言うな、あれだけあったものが何で無くなる?」
「わかりません。ですが、クアンスティータに手を出すのは間違いだったのでは?」
「そうです。あんなものに手を出したらどんな事になるか……」
「こ、怖い――怖い……」
「お、恐ろしい……」
「……助けて下さい」
「どこに逃げたら……」
 全宇宙からかき集めていたティアグラの配下達は右往左往してパニックになっていた。