強い者には強い者が集まる。
 強い者同士が引き合うような感じでだ。
 だが、それ以外にも吟侍君に向かってくる存在は数多く居るだろう。
 私達はその露払いをする。
 それが、私達に与えられた役割だ。
 吟侍君と導造君の義兄、芦柄 琴太(あしがら きんた)君はその役目を積極的にやっていた印象がある。
 彼らの義弟である導造君もまた、その役割を果たすべき時が来たのかも知れないな。
 なんだか、ヘタレだった時の導造君がちょっと懐かしいな。
 まだ、そんなに時は経ってないのにね。
 短期間で、めまぐるしく状況が変わっていたからちょっとおセンチになったのかも知れないな。。
 そう言えば、抜界に移動してから一日以上経っているから、クアンスティータはもう生まれているはずね。
 現界はどうなっているのかしら?
 まだ、存在しているのかしら?
 吟侍君が居るから大丈夫だとは思っているけど。
 吟侍君とクアンスティータの戦い――ちょっとだけ見てみたかったな。
 でも、今、私達が立ち向かって行くべき存在はジェンドだ。
 そして、後に控える、ニアマリア、更にずっと奥に潜む【ファイシャ】だ。
 先は随分、長いように見えるけど、やるしかない。
 導造君。
 期待してるよ。
 吟侍君は居ないんだから、君に中心になってもらって道を切り開いていかないと行けないんだから。
 私達は勝つ。
 クアンスティータと戦う事に比べれば遙かにマシ。
 そう思えば、相手が【ファイシャ】だろうが、何だろうが何とかなる気がする。
 それに、【ファイシャ】の呪縛が無くなって、ちょっと吟侍君に似てきたかな?
 導造君はそう思える何かがあった。