導造君にもジェンドには因縁がある。
 彼の義兄、吟侍君は、ジェンドに一度、殺されかけている。
 私達が子供の頃、ジェンドは惑星テララの絶対者アブソルーターのルゥオ・スタト・ゴォルと共に、孤児院セント・クロスの子供達を拉致しに来ている。
 自分達の惑星で奴隷として使うためにだ。
 それに立ち向かったのがまだ、幼い子供だった吟侍君だった。
 誰もが諦める状況で、唯一、彼は勇敢にも絶対者アブソルーター達と渡り合った。
 だが、所詮は子供、限界があった。
 ジェンドに心臓を貫かれ、絶命するところだった。
 その時、食堂にあった、7番の化獣、ルフォスの核と潰れた心臓を同化させる事によって、強大な力を得て、吟侍君は絶対者アブソルーター達を追い払ったのだ。
 そして、彼は英雄となり、撤退したジェンド達はその悔しさをバネに力をつけ、惑星イグニスを支配する絶対者アブソルーターにまで登り詰めた。
 吟侍君が追い払ったとは言え、セント・クロスでは既に、何人も子供達は攫われてしまっていた。
 だから、大きく成長した私達が、友達を助けに各惑星に救出活動をするという事になったのだ。
 言ってみれば、このジェンドは私達の冒険の切っ掛けとなる事件を起こした因縁深い相手でもある。
 結局、吟侍君はウェントスへ行ってしまったけど、彼の義弟として、吟侍君の代わりに導造君はジェンドと戦うという役割みたいなのが出来た。
 正直、友達はろくに助け出せていないのだけど、ジェンドとの決着は私達がやらなければならないことの一つでもあると言える。
 だから、導造君は逃げるという選択をしないのだろう。
 吟侍君の事だから、恐らくはクアンスティータあたりと向き合う運命を持っているのだろう。
 彼はそういう存在だ。