「バカな事を……」
「姉上、手を出して欲しかった。俺を殺して欲しかった……」
「何でこんな事を……」
「今の兄上は見ていられない。――今の兄上は俺が尊敬してやまない兄上ではない……何とかして欲しかった。今の体制では良いことなんて一つもない。それだけは解って欲しかった。姉上、兄上をたの……み……ま……」
 絶命するパース。
「パースぅ!!」
 絶叫するハイース。
 実の弟の様に可愛がっていた、男の死に様に涙する。
 私達は何も出来なかった。
 ただ、見ているしか出来なかった。
 虚しい。
 本当に虚しい。
 【ファイシャ】による支配は不幸しか呼ばない。
 こんなのは無い。
 こんなのは間違っている。
 絶対に間違っている。
 こんな出鱈目な事は正したい。
 正したいけど、私達にはそれを叶えるだけの力が無い。
 途方に暮れる。
 これから、この不幸の連鎖が始まるのだろうか。
 私はおかしくなった、惑星イグニスの空を見た。
 見た目は元居た現界での空と変わらない。
 だけど、違う。