「つまり、どうしろと?」
「簡単な事よ、私がレベル5に昇格するまで、お互い無関心でいましょと提案しに来たの。あなた方が私からの襲撃を警戒するように、私もあなた方からの襲撃を警戒している。その関係をとりあえずお休みしましょと言っているの」
「こんな口約束が何の役に立つって言うの」
「そうね、役には立たないかも知れない――でも、私の意志は伝えた訳だから、あなた方の意志が他の新絶対者ネクスト・アブソルーター達に向くという可能性も出てくるでしょ。今までだったら、まず、第一に倒しに向かおうとする相手は私だったわけでしょ。そうなっただけでも随分違うと思うわ」
 確かにその通りだった。
 ニアマリアが直接狙ってこないとするとむしろ、気になるのはニアマリアよりも【ファイシャ】に媚びを売ろうとする他の新絶対者ネクスト・アブソルーター達だ。
「私が言いたかったのはそれだけ。痛い目も見たけど、同時に感謝もしている。今の地位はあなた方と戦っていなかったら、あり得なかった事だからね。それとも、今だけとは言え、戦う意志が無い者と争う様な無頼な輩なの、あなた達って?」
「あんた、怖い存在になりそうね。ここで潰しておいた方が安全かも知れないわね」
「あら、ありがとう。褒め言葉として受け取っておくわ。でも、今の実力でもあなた達に負けるとは思っていないわよ。特に、何も加護を得られなくなった状態のあなた達にはね。それでも、穏便に済む話を蒸し返してここを血の海にでも変える?」
「……ここはあんたの言うことを素直に聞いておいた方が良さそうね。でも、私達もこのままでは居ないわよ。あんたの成長スピードを超えて見せる。次に会うとき楽しみにしてなさいよ」
「それは楽しみね。それが強がりなのか、それとも真実なのかは次に会ったときに確かめて見るわね。ではごきげんよう」
「………」
 私は黙ってニアマリアを見送った。