01 抜界(ばつかい)へ……


 私の名前は南条 朱理(なんじょう しゅり)。
 ちょっと前に起きた現象でちょっとビビってる。
 私の身体が分解したのだ。
 細胞の隅々までが一度分解し、ブレた後、また、戻った。
 そんな感じがした。
 まさか、クアンスティータが誕生した?
 とは思ったのだけれど、女神御(めがみ)エテレイン様がきっぱりと否定した。
「いえ、あれはクアンスティータの姉であり、兄でもある双子、クアースリータの誕生によるものでしょう」
 と。
 一瞬、何だ、違うのかとホッとしたけど、すぐに、それが間違いだと気づいた。
 クアースリータが誕生したという事は今日中にその妹であり、弟であるクアンスティータも誕生するという事だ。
 つまり、クアンスティータは存在する。
 現実のものとなるという事を意味する。
 冗談じゃない――
 クアンスティータなんかに誕生されたら、パニックどころじゃない。
 火の神殿ではみんなそれを聞いて意気消沈していた。