第四章 第二階層へ


 ほぼ素通りで、第一階層を進むキャリア達だが、全く敵が居なくなったという訳ではない。
 ――そう、他の怪妖達がまだ、残っているのだ。
 特に、呪業を倒してしまったという事で、自分達の権威を失墜させたとして、キャリアに対して、強い殺意を覚えるようになった。
 そして、二匹目の怪妖が彼女達の前に立ち塞がるのだった。
 怪妖 怨堕(かいよう えんだ)。
 それが、その怪妖の名前だ。
 怨堕は元、天使だ。
 それが、幽界に落ち、深い怨嗟を浴び続け、やがて原型をとどめない怪妖へと姿形を変えていったのだ。
 今ではすっかり、幽界の住人だ。
 心の底から、天使という部分は無くなっている。
 天使であった自分と引き替えに強大な力を手にした怪妖。
 見た目としては天使と呼ぶよりは鬼に近いだろう。
 完全な鬼では無く、印象として鬼に近いという意味でだ。
 透き通った白い肌は浅黒い筋肉質な肉体となっている。
 エンジェルハイロゥは頭に突き刺さり、その翼は固まり、翼というよりは大きなトゲの様に見える。
 幽界は精神の世界とも呼ばれているので、精神の影響が肉体をも変化させる。
 怨堕にはフォールとキャトラが戦う事になった。
 キャリアですら、怪妖に対しては危なかったので、最初はキャトラが戦う事になっていたが、それでは足りないという事でフォールが加勢する事になった。
 2対1になるので、彼としては面白くない展開だったが、それを言ってしまえばキャトラはこの相手に勝てないかも知れないので、手伝う事にしたのだ。
 だが、2対1でもかなり苦戦を強いられていた。