旅を続けるキャリア達は 幽界に来て、あっという間に二月が経過しようとしていた。
 かなり、急いで、ワープしていたが、まだ、表層宇宙の中心部には距離があった。
 それだけ、この幽界の宇宙空間が広大だとも言える。
 それから更に三週間ほど移動に費やし、ようやく、表層宇宙の中心が見えて来た。
 だが、表層宇宙最大の障害がキャリア達の前に立ち塞がった。
 地球で言えばラプンツェルを思わせるようなかなり長い髪。
 ただ、ラプンツェルとの違いは髪の毛の持ち主が人間の女性ではなく、猫科の獣人型の男性だという事だった。
 しっぽも三本生えているので、これを素直に獣人と呼べるかどうかは疑問ではあるが。
 何かのキメラと表現した方が良いのかも知れない。
「我が名はジュウダ。幽界の番人なり。尋常に勝負されたし」
 幽界の番人であれば、幽界の入り口にいるべきであると思うが、恐らく、この表層宇宙は幽界にカウントされていないのであろう。
 なので、表層階層から第一階層への入り口となるブラックホールの近くにこの番人が陣取っていたのだろう。
「俺が出る。身体が鈍っていた所だ」
 とフォールが前に進み出る。
 彼は露払いくらいにしか思っていない。
 能力としては髪の毛がウネウネ動いて絡みつくような攻撃をするタイプだと踏んでいた。
 だが、それは違っていた。
 毛量の多い髪の毛は形状記憶合金の様に一本一本が何かの存在を一本の髪の毛に伸ばした状態だった。
 つまり、髪の毛の分だけ、たくさんの存在が寄り集まっていた。
 髪の毛が複雑に形を変えてモンスターの様になり、フォールに襲いかかる。
 このモンスターもただのモンスターではない。
 攻撃力をやたら強化している。