残されたパワーはこの絶望的な戦力を前にしては心細い。
 キャリアは死を覚悟した。
 が、せめて、共に戦ってくれた4名の仲間達だけでも助けたい。
 自分が囮になって逃がしたい。
 その悲壮感漂う気持ちだけで、前に出ていた。
 迫る、天使と悪魔の軍勢――
 その戦力は余りにも強大だった。
 たった5名ではどうあがいても勝てない。
 その事実だけがキャリアに押しつけられていた。
 偽クアンスティータが戻ってきてくれれば、この状況は変えられるだろう。
 だが、偽クアンスティータ達はクアンスティータのために行動する。
 母と言えど、クアンスティータでない者のために行動する事はない。
 絶体絶命の大ピンチ。
 そう思われた。
 だが、戦闘に入る前にある事が起きた。

 ブォォォォン……
 突然、キャリア達の存在がブレた。
 キャリア達だけじゃない。
 天使と悪魔の軍勢もブレた。
 素粒子レベルまで分解されて、また、戻った。
 何かが起きたのだ。
 何かとは――
 宇宙のどこかで、クアンスティータの姉であり、兄でもあるクアースリータが誕生したのだ。
 クアースリータが誕生したという事はその妹であり弟でもあるクアンスティータが誕生するまでのカウントダウンが始まったという事も意味している。
 もはや、偽者のクアンスティータを産み出した母体、キャリアなどにかまっている状態ではなかった。
 一刻も早く、全戦力を立て直し、クアンスティータに対抗するために行動させなくてはならない。
 神と悪魔の軍勢がキャリア達の前から急反転して、ルーメンとテネブライの方に戻って行く。