殴りかかってくるカヂ。
 その拳をキャリアは受けようと思ったが、キャトラに押されて、吹っ飛んだ。
 仲間割れ――ではない。
 キャトラの獣としての勘から、受けたらバラバラにされると感じ、咄嗟に、キャリアを吹っ飛ばして交わさせたのだ。
 それは正解だったようで、キャリアが受けるはずだった場所には塵一つ残っていない。
 ただ、どでかい穴がポッカリと空いていた。
 その状況から攻撃を受けていたら、消し飛ばされていただろうというのがうかがえた。
 ゾッとなるキャリア。
 こんな恐ろしい膂力を持つ敵と戦わなくてはならないのかと恐怖を覚える。
 だが、恐怖よりもそれを上回ってやるという言い知れぬ高揚感の方が増す。
 体内にアドレナリンが分泌される。
 キャリアは頭上のハート型エンジェルハイロゥを超高速回転させて、ブーメランの様にカヂに投げつける。
 ギャリンという音がするが、カヂは無傷だった。
 エンジェルハイロゥの切れ味はもの凄いものだったはずなのに、相手の肉体には傷一つない。
 やはり、体力面では恐ろしく頑丈だ。
 キャトラの高速移動にも負けじとついてくる。
 単純に肉体的な強さではカヂには勝てそうもなかった。
 更に言えば、カヂは気の遠くなる程の長い化石状態からの復活でまだ、身体が慣れきっていない様子だった。
 慣れてくれば慣れてくる程、カヂの戦闘力は極端に上がっていった。
 このままでは、手に負えなくなるのも時間の問題と思われた。
 必死でカヂの猛攻に食らいついていくキャリアとキャトラ。
 死にたくないという気持ちが先行していて、時々攻撃が空回りもしていた。
 それでも、その勢いからか、強制的にスキルアップしている印象がキャリア達は感じていた。
 無理矢理レベルを上げられている――そんな感じだった。