まぁ、いいや。
 今は、お互いを知る事が先だからね。
 僕という人間を知って欲しいし、リノン様の事(特にスリーサイズ)を知りたいしね。
「リノン様、リノン様、僕の事を話したらリノン様の事も教えていただけますか?」
「私はあなたの事が知りたいんじゃなくて私を元に戻す方法を知っているか知りたいだけなんだけど」
 解ってます、解ってますとも。
 リノン様、それは照れ隠しですね。
「……話せば長くなりますが……」
「ちょっと、聞いてる?私は――」
 解ってます、解ってますよ。
 それは乙女心ですよね。
 僕に興味があると知られたくないので、あくまでも自分は興味ないけど、教えてくれるなら聞いてあげるという態度を取りたいと――そういうわけですね。
「改めまして、僕の名前は小田桐 流星(おだぎり りゅうせい)、小田桐家の長男です。でもにーちゃん、本当はねーちゃんの前では僕は次男という事にして下さいね。ねーちゃん、気にするから」
「いや、そんな話はどうでも良いから」
「解ってますよ。僕の愛するねーちゃん――さっきにーちゃんと呼んでいた人の事ですけど――ねーちゃんの名前は小田桐 侑輝(おだぎり ゆうき)、見ての通りとびっきりの美少女です」
「聞いてないってば」
「悲しいかな、僕とねーちゃんは血の繋がった実の姉弟なんです」
「まぁ、そうだろうね。同じ変態の匂いがするからね」
「だけど、そんな事には僕はめげない――めげてなるものか。愛があれば、二人の仲は必ずしや……」
「超えちゃダメだからね、その一線」
「解ってますよ。世間的には許されない事。だけど、困難があれば愛は燃え上がる――そうでしょ、リノン様」
「その話はいいから、さっきので大体解ったから」
「ふふっ、ジェラシーですか?」
「何で、嫉妬しなきゃならないのよ、あんたたち相手に」
「人はみんなそう言うんですよ」
「私、人じゃなくて曇天だから」
「ヤキモチ……」
「ハイ、天罰、ホイッ」
 ピシャー!!
「パギャッ」
 僕はリノン様の愛の雷をお受けした。