だけど、二人は対決を選択した。
 獣馬君が勝っても負けてもうちのチームが次に進めるのは変わりないけど、どうせなら3連勝で勢いをつけたい所だわね。
 獣馬君が用意したICは【バッター】だ。
 これも獣馬君のオリジナルキャラクターになる。
 攻撃して来たものを何でもかんでも全部打ち返すキャラクターらしい。
 対するファビアン君は【最狂の戦士】という作品の【トラッパー】というキャラクターだ。
 オリジナル作品ではないが、【トラッパー】というキャラクターは10本の指に糸が結びついていて、その先に瓢箪が一つずつ結びついている。
 【トラッパー】の代表的な攻撃はその指と結ばれた10個の瓢箪を自在に動かして、瓢箪の中からレーザー光線が出てくるというキャラクターなのだ。
 本体以外の10方向からレーザー光線が飛んでくるというバトルスタイルはなかなか厄介ではある。
 それに【トラッパー】の名前の象徴であるトラップボールというサブアイテムが10個ついて来る。
 【トラッパー】は罠の仕掛けられたトラップボールをどこか10カ所に仕掛けて来るだろう。
 正攻法では来ないという事が予想出来るキャラクター。
 それが【トラッパー】というICだ。
 獣馬君にはトラップを見極める観察眼が要求される。
 瓢箪がどこから飛んでくるか解らない状態で罠の仕掛けられたトラップボールを探すのはなかなか大変である。
 力押しスタイルが通常の戦闘スタイルである獣馬君にはちょっと荷が重いかと思ったんだけど、そうでも無かったみたいだ。
 獣馬君なりに知恵を絞った戦い方をした。
 彼は、近くの小石を次々とバットで打った。
 等間隔で打ったので、小石が当たって何とも無かったところは必然的に罠が無いという事になる。
 それである程度足場を確保した【バッター】は死角から来るレーザー光線をそのままピッチャー返しならぬ、瓢箪返しで、次々と瓢箪を打ち落とした。