吟侍は助っ人に入ろうか迷ったが気持ちを押し殺して我慢した。
 ここで助けてしまったら、フェンディナの成長には繋がらない。
 この危機を乗り切ってこそ、フェンディナの成長は見込めるのだから。
「頑張れ……」
 吟侍はフェンディナにエールを送った。
 吟侍にとってはどんなに大変でも自分で戦った方がいくらか気が楽だった。
 味方の勝利を信じてただ、待つという事がこんなにも辛い事なのか改めて知った。
 フェンディナの方は傷ついたものの、吟侍の応援が届いていたのか、体内宝物庫から新たな何かを取り出して一発逆転をはかった。
 彼女が取り出したのはフラフープ状の円環型超兵器だった。
 フェンディナの周りを回転し、彼女に害する者を自動で切り裂く兵器、オートサークルだ。
 オートサークルはただの兵器ではない。
 構成物質が、対象物の反物質となり、対消滅を引き起こす超強力な兵器だ。
 オートサークルでマージンの二つ目の上半身は粉々に切り裂かれた。
 そのまま、一つ目の上半身にもフェンディナはつっこむが間一髪交わされた。
 距離を取るマージンにフェンディナは複数のオートサークルを投げつける。
 交わし続けるが、その内の一つがマージンの丸いボディに引っ掛かった。
 それはまるで、土星の輪の様だった。
 オートサークルの特性はフェンディナが身につければ、彼女を守る防御壁となる。
 敵にとりつけば、その輪が縮み、敵を切り裂く兵器と化す。
 凶悪な兵器でもあるのだ。
 一つ捕まえたら、後から後から続けざまにオートサークルがマージンの周りを取り囲む。 何重にもフラフープをしている様な状態になり、やがて、オートサークルによって、マージンの身体はバラバラに切り裂かれた。
 何もここまでしなくても……とフェンディナ自身は思ったのだが、攻撃を受けて焦って、何とか状況を打破しようと思っていた彼女は必死だったのだ。
 敗れないようにするには徹底的に倒すしかないと思ってやったのだ。
 やらなければやられていた。
 それが、この戦いだった。