「おおお、お父様。ご命令を……」
 ベリーフィットがゲスデゲスに傅く。
 どうやら、血を与えた者の娘という立場になるらしい。
「おぉ、可愛いベリーフィット。私を困らせる奴らが居る。まずは、あの小娘を倒して来ておくれ。次は後ろでふんぞり返っている小僧だ」
「解りました。お任せ下さい」
 ゲスデゲスに従順にベリーフィットは従うようだ。
 恐らく、死ねと言ったら、自ら命も絶つのではないだろうか。
 ベリーフィットに主は選べなかった。
 どんな下種でもゲスデゲスは主なのだ。
 主には逆らえないだろう。
 吟侍であれば、ゲスデゲスの呪縛からベリーフィットを解放する事も出来る。
 ウィークポイントレシピか何かでゲスデゲスとベリーフィットの主従関係を断ち切る事が出来るだろうから。
 フェンディナも姉、ロ・レリラルの設定を変更する力を駆使すれば、あるいは同じ事が出来るかも知れない。
 だが、設定変更能力の本来の使い手、ロ・レリラルと違って、フェンディナに細かい所までの設定変更能力は無い。
 やはり、本家と比べると同じ能力でもいくらか劣ってしまう。
 そのレベルのフェンディナの力でベリーフィットを呪縛から解き放つ事が出来るかどうかは疑問だ。
 それよりも、ベリーフィットの戦闘能力はさっき戦ったアーウン四兄弟のものよりも遙かに高い。
 親切心を出して解き放つ事を考えるよりも先にこの難敵に勝たなくてはならないのだ。
「殺す……」
 ベリーフィットは殺意をフェンディナに向ける。
 相手はフェンディナを殺す気で向かってくる。
 情けをかけているような余裕はない。